【熱力学】道具1 熱力学

はじめに

本ブログでは、まず「熱力学」について投稿を行っていきます。

なぜなら、熱力学は、あらゆるシミュレーションの基礎知識として要求される学問の一つだからです。
一口にシミュレーションといってもたくさんあり、その分野は
「固体」「流体(液体・気体)」「分子」「量子」など、多岐に渡ります。
特に「分子」や「固体」「流体」の分野では、熱力学は基礎的な教養として扱われることが多いです。

一方で、熱力学を深く学ぶ機会は、あまり多く無いように感じます。
中学理科の「熱と温度」、高校物理・化学の「気体の性質」ではその基礎に触れますが、理論体系は大学でようやく学びます。
今ひとつ理解できないまま学習を終えてしまった方も多いのでは無いでしょうか?

そこで、本稿からしばらくは、熱力学についてまとめていきたいと思います。

本ブログは、以下のような人におすすめです。

  • 熱力学が苦手で、わかりやすい解説が欲しい。
  • 計算科学を進めるにあたって、基本的な熱力学・統計力学に関する理論をおさらいしたい。

熱力学の内容は多く、いくつにも分かれているため、各内容ごとに投稿していきます。

身の回りの熱力学

大半の理系大学生が必修科目として受講するであろう「熱力学」。
あまりに日常的な存在すぎて誰にも気にされていませんが、とても優れた学問です。
というのも、熱力学は身の回りのあらゆるところに隠れています。

例えば、

  • お湯を水の中につけておくと、やがて両者とも同じ温度になる。」
  • クーラーをつけると、部屋の温度が下がる。

などです。

どちらも至って普通の日常の一コマですね。
このような「日常生活の当たり前の現象」が、先人たちによってしっかりと法則として導かれています。

熱力学の立場

その法則を学んでいく前に、熱力学の立ち位置を確認しておきましょう。

「熱力学」は、その守備範囲に応じて、「統計力学」「量子力学」とセットで説明されることが多いです。

それぞれキーワードを使ってシンプルに説明するので、かなり極端な表現もありますが、次のようなイメージです。

  • 熱力学:物質の「エネルギー」のやりとりを扱う学問 ※分子や原子の性質は考えない(=巨視的)
  • 統計力学:分子・原子の「集まり」を考え、量子力学と熱力学をつなぐ学問
  • 量子力学:原子・分子の「電子の様子」を扱う学問(=微視的)

要するに、「熱力学は『エネルギー』のやりとりを追いかけるんだ!」と理解していただければ、本稿はOKです!!
これがめちゃくちゃ大切です!

おわりに

ひとまず、本稿はイントロということで、熱力学の位置づけについてざっくり述べました。
次回は、熱力学で基本中の基本である、「系」について説明していきたいと思います。

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